No. 1157 “I don’t have rabbits on my mind.”

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BGM: "Eleven Small Roaches"
by Michael Hedges
（音声 MP3 ファイルのダンロードはこちら）

先日、映画で英語を勉強する、という話を
ちょこっとしたので、映画に出てくる
フレーズをちょっと取り上げましょう。

今日の、フレーズは、Kevin Costner が
主演する Oliver Stone 監督の作品である
『ＪＦＫ』に出てくるフレーズです。

私としては、個人的には、セリフよりも、
Oliver Stone という監督や、ケネディー
大統領のことについて話すほうが好きなん
ですが、ま、今日のところは映画の中の
セリフのことだけ取り上げましょう。

映画の中での会話では、正確に言うと、
“I just don’t have rabbits on my mind.”
と “just” が入っています。

場面としては、主人公が奥さんとの、
ディナーの約束を、仕事に熱中して
すっぽかしてしまい、奥さんに謝る、
というシーンなんですが、その時に、
“I can only say I’m sorry, I just don’t
have rabbits on my mind.”
という謝り方をします。意味は、
「ほんと、申し訳ないとしか言えないんだよ、
それ以上の言葉は思いつかないよ」
という感じになります。

これはどういう意味かというと、よく、
シルクハットからウサギを取り出す
という手品がありますが、そこから
来ている表現なんです。

そういう手品の場面を思い浮かべながら
このフレーズを聞くと、なんとなくイメージ
が湧くんじゃないかなと思いますが、
例えば、日常会話の中では、
“I can’t pull rabbits out of my hat.”
「ウサギを取り出すことなんて出来ないよ」
なんて言うことがあって、これは要は、
「そんな手品みたいなことできないよ」
という直訳的な意味から、
「驚くようなアイデアなんて思いつかないよ」
「何もないところから妙案なんて出てこないよ」
という感じで使います。

で、先日どこかで、フレーズの応用、
という話しをしましたが、そういう意味
では、例えばこのウサギを取り出す手品を
それこそネタにして、
“He has all sorts of rabbits in his mind.”
などと言えば、
「彼は、よくいろんなことを思いつくよね」
みたいな意味として使えるフレーズが
出来上がるわけです。

で、本日の、
“I don’t have rabbits on my mind.”
は、映画の中では “on” を使っていますが、
どちらかというと “in” の方が、感覚的には
正確かもしれませんが、ま、それはどっちでも
よくて、意味は、その前の
「本当にゴメン」というセリフを受けて、
「ゴメンとしか言いようがないんだよ」
というような意味から、気持ちとして、
「謝罪の言葉を前もって用意している
わけじゃないんだよ」というような感情
と一緒に、
「これ以上言いようがないんだよ」
という意味で使っているわけです。

子どもの頃に、帽子からウサギを取り出す
手品を目を丸くしながら見ていた経験から、
そういう「場面」を日常会話の中に取り入れて
フレーズを自分で作っているわけですが、
日本語であれば、
「そんな手品じゃあるまいし」
とするところを、英語では、
「ウサギを取り出すようなことなんて」
という具合に表現するところが、言葉の文化
の違いということかと思います♪
(^_-)-☆

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