No. 137 "That won't bail him out."

最近のニュースと言えば、なんといっても
世界大恐慌の様相を呈しているかのような
世界各国の株式市場。一体どうすれば、この
苦境から抜け出せるのか、という時の表現
が本日のフレーズです。

“Will the new policy work?”
「新政策は有効かな？」
“Hope it will bail us out.”
「我々を救ってくれればいいんだけど」
という感じで使います。

辞書的には、“bail us out” というのは
「（経済的苦境から）救い出す」
という意味。破産寸前の人や会社を窮地から
救うという時には、
“We are trying to bail him out.”
「彼を窮地から救おうとしている」
とか、
“Next is to bail ABC company out.”
「次は、ＡＢＣ社を救うことだ」
あるいは、
“That wouldn’t bail anybody out.”
「それでは、誰も救済できないよ」
などという言い方をします。

Ｇ７の代表が、使うときには
“We’re trying to bail us all out.” で、
「我々をこの苦境から救おうとしている」
となり、親が子供の経済支援をするときは、
“I’ll try to bail you out.”
「なんとか支援してあげられると思うよ」
という具合に使います。

もうひとつ、ちょっと違う角度ですが、
“I won’t bail out now.” という言い方で、
これは、
「私は、今逃げ出すことはしないから」
という意味となります。
“Don’t bail out now.” であれば、
「この時期に、逃げ出さないでよ」
という意味になります。

世の景気動向が怪しくなってくると、
日常会話でも、こういう表現が多くなって
くるので、耳にする機会も多くなって
きます。“bail out” で覚えておきたい表現
は二つで、
“bail him out.” と、「人」を真ん中に
持ってきて、「窮地から救う」と
“He will bail out.” と、そのまま使うときが
「窮地から逃げる」という意味。

ちょっと、ややこしいですが、
“The President can’t bail out now.”
「大統領は、今ここから逃げ出せないよ」
と
“Can the President bail us out?” で
「大統領は我々を救えるだろうか」
の二つを分けて覚えておきましょう。

この辺りは、かなり微妙な違いでありながら、
やはり意味がガラっと変わりますので、
上級編に近いとも言えますが、今だから
耳にする表現ということで覚えておきましょう。