No. 475 “Still hot from the oven.”

BGM: "Eleven Small Roaches"
by Michael Hedges
（音声 MP3 ファイルのダンロードはこちら）

日本では、家庭料理というのは極めて一般的というか、
家庭で手作りの料理を作るのは当たり前、という
慣習があるように思います。

朝、包丁のトントンという音で目が覚める、という
光景は珍しいものではありません。家庭の味、
お袋の味、という言葉があるように、お味噌汁
一つとっても、その家庭ごとに味が違う、という
のが日本の食文化といえます。

ところが残念ながら、アメリカでは、こういう観念
が一般的ではありません。いわゆる手料理を楽しむ、
ということをする家族はむしろ少数派なんです。

ホームパーティーとか、サンクスギビング、
アップルパイやおばあちゃんのクッキーなど、
なんかアメリカでは、手料理が一般的のように
感じますが、実は、温かい家庭料理、というのは
あんまりないんです。

ということで、前置きというか、小話しというか、
雑談が長くなりましたが、日本で言う、
「出来たてのホヤホヤ」とか、
「まだ湯気がたっている」という言葉に
当てられるのが、
“It’s still hot from the oven.” という言い方。

そういえば、この前、鳩山総理大臣が国連に
向かったときに、中国の胡錦濤主席と会談を
したときの冒頭で、組閣したばかりの内閣で
まだ湯気が立っています、と発言していました。
この部分は、海外では、
“Still hot from the oven.”
という表現で紹介されていました。

確かに、
「オーブンから取り上げて、まだ熱いまま」
というのが直訳ですから、雰囲気はそのまま
といえます。

でも、実は、これも、こういう言い方をする、
といえば出来る、という程度の表現で、日本語ほど
さりげなく、何に対しても使っているわけでは
ありません。


例えば、日本語では、
「会社を設立したばかりで、まだ湯気がたっています」
という表現に違和感は感じませんが、
“We just opened our office. It’s still hot
from the oven.” というと、まあ、違和感とまでは
言いませんが、なんか「面白い表現をするね」という
印象を与えます。別に、その場面にそぐわない、という
わけではないんですが、誰もが一般的に使っている
表現ではないというに感じます。

というわけで、日本語で普通に使っている表現が
必ずしも外国語になるものではないし、その逆も
また真なり (No. 119) ということも頭に入れて、
日本語は日本語で、外国語は外国語として、しっかり
身に付ける、という姿勢を語学学習の基本として、
地道に続けていきましょう♪(^_-)-☆

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