No. 134 "Send it by snail mail."

世の技術の進展に伴い、言葉が変化してくる
のは、面白いもの。いつの間にか死語となって
しまったものや、今まで聞いたこともないような
言葉が生まれたりします。

インターネットが一気に普及したのが１９９５年
で、“e-mail”という言葉はこの時に市民権を得て
います。ほぼ同時に生まれたのが “snail mail”
という表現。

それまで「手紙」を海外に送るためには
「エアーメール」が一般的で、大きな荷物で
ない限り「船便」を使うことはありませんでしたが、
急いでいないとき、料金を節約するときは、
「船便」を利用することもありました。
約１ヶ月かけて、のんびりと「想い」を届けて
いたのであります。

今日では、本当に「想った瞬間」に「届けている」
のが “e-mail”。世の中進歩したものです。

で、前置きが長くなりましたが、この “e-mail”
が一般的になってから、これまでの「郵便」
のことを、いつの間にか “snail mail” と呼ぶ
ようになってしまいました。

“snail” というのは「かたつむり」で、
ま、エスカルゴの主役の方です。“Air Mail”でも、
「速達」でも「宅急便」でも、スピードでは
“e-mail” には、かなわない訳です。ということで、
これまでの郵便は “snail mail” になってしまいました。

“What are you writing?”
「何書いてんの？」
“Love.”
「愛よ」
“Send it by e-mail.”
「e-mail しないの？」
“This is something special. I must send it
by snail mail.”
「特別だから、手紙にしてるの」
という具合です。

尤も、“snail mail” は、まだ市民権を得ている訳
ではなく、辞書に載るのも、まだ先だと思います。
でも、日常会話では、大分耳にする機会が多く
なりました。

今では、「想い」を伝えるのに、携帯の e-mail が
あり、パソコンの e-mail があり、と色々と使い分けて
いますが、やっぱり、「手書きの手紙」には特別の
味があるもので、どんなに技術が発展しても、
紙と鉛筆がなくなることはないでしょうね。
「愛」がなくなることもありませんし　(^_-)-☆