No. 841 “He’s covering up.”

BGM: "Eleven Small Roaches"
by Michael Hedges
（音声 MP3 ファイルのダンロードはこちら）

さて、今日は、先日ちょっとご質問が
あったフレーズを取り上げてみます。

日本語で時々使う単語で、これは
英語ではなんて言うんだろう、と
疑問が湧くことはよくあると思います。
例えば、先日 No. 838 の本文に出てきた
「図星」という単語ですが、これって英語
でなんていうんだろう？と思いながら辞書
を調べたりするわけですが、感覚的に、
“It is 図星, right?” なんていう感じの
単語を期待して探すものだと思います。

ま、でも、中にはそのものズバリの単語が、
ないこともあって、期待はずれになる
こともあるかと思います。

因みに、図星、という単語もそのズバリは
なくて、日常的な言い回しの中で、そういう
場面のときに、
“I’m right, aren’t I.” なんていうのが、
「図星でしょ」に近いという感じです。

そういう意味で、例えば、日本語で
「きれい事」っていう言葉がありますが、
これって英語でなんていうんだろう、と
辞書を調べるわけですが、
「あなた、きれい事ばっかり言ってる」
とか、
「きれい事なんて言ってられないよ」
という日本語を、
“You are just saying きれいごと」とか
“We can’t say such きれいごと」みたいな
単語を期待するわけですが、これもやっぱり
ピッタリしたものはないんです。

で、確かに辞書を見ると、
“whitewash” とか “gloss over” というのは
載ってるんですが、これも滅多に日常使う
表現ではないですね。

ま、もっとも、普段の自分の会話の中にも
「きれい事」という単語は、あんまり登場
しないもので、そういう意味で頻度が低い、
という程度のものかもしれません。

で、すいません、ちょっと説明が長くなって
しまいましたが、
「あの人の言ってることってきれい事だよね」
みたいな感じの場面で日常使えるのが、
“He’s (just) covering up.”
となります。

そういう意味では、辞書に出てくる、
“He’s just glosing over.” も、もちろん
言うには言うんですが、大抵は、
“He’s just covering up.” で、
「きれい事を言っている」と言ったり、或いは、
“We shouldn’t be cover up?” で、
「（我々）きれい事を言っちゃダメだよね」
みたいに使います。

で、この、
“He’s just covering up.”
というのは、直訳的には、
「隠し事をしている」が単語の元の意味に
近いので、この訳で覚えておくのもいい
でしょう。

ま、あまり「単語そのもの」に拘らないで、
「きれい事を言う」という意味内容が、
「何かをごまかしている」
「何かを隠している」
「とりつくろっている」と同じ意味なんだ、
という視点から、自分の知っている単語の
中から言い方を工夫する、というのも会話の
上達につながりますので、是非そんな視点
も持っていてください♪
(^_-)-☆

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