No.1285 “Hold it.”

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BGM: "Eleven Small Roaches"
by Michael Hedges
（音声 MP3 ファイルのダンロードはこちら）

本日のフレーズは、文章で目にした
時に想像する意味と、実際に耳で
聞いた時に想像する意味とで
違いがあると思います。

まず、文章として見たときですが、
“hold” が「持つ」とか「つかむ」
という意味ですから、
“Please hold this.” の
「これを持ってて頂けますか？」
で使われているように、
“Hold it.” であれば、
「それを持って」
という意味に見えます。もちろん
実際にそういう意味で使っている
場面もあるわけですが、会話では、
別の意味で使うこともあります。

実際に会話の中で使われている
場面では、
「それを持って」という意味では
ないことは、直感的にすぐ判る
もので、その場面や状況、話し手の
仕草などによって、
“Hold it.” は、
「ちょっと待って」
だというのが判ります。

使う場面も色々ありますが、
“hold” の「持つ」という意味が
一番強く出てくる場面が、例えば、
引越しや部屋の模様替えで、大きな
家具を移動しているときですが、
そんな時に、例えば、タンスや
ソファーを運んで、置くときに、
「そっとそっと、ゆっくりね」
という感じのときに、
“Hold it, hold it, easy.”
なんて言います。

ま、これは、
「（落とさないで）持ってて」
というニュアンスがあるわけ
ですけれども、最後の、
“easy” は「簡単な」という
意味ではなく
「静かに」「やさしく」「ゆっくり」
という意味で使っているので、
これも覚えておきましょう。

で、ほかの場面としては、友達
との会話を、ちょっと遮るような
場面で、
「え、ちょっと待ってよ（本当？）」
みたいな場面があると思いますが、
そんなときに、
“Hold it, wait a minute.”
という言い方をします。

あるいは、アクション映画で、
刑事が犯人を追い詰める場面で、
“Hold it right there!”
なんて叫んだりしますが、これは、
「そこで動くな！」
という意味で、これは、
「そこで待て」という感じが
出ているわけです。

これと同じ表現を、例えば、
壁にかける額の位置を直して
いるときに、
“Hod it right there!”
と使えば、
「あ、そこで止めて！」
という意味になって、
“hold” を「持つ」という意味で
使っているわけです。

面白いのは、電話の会話などで、
相手に「ちょっと待って」という
ときに、
“Hold on.” (No. 185)
を使うんですが、この時に、
“Hold it.” ということはまず
ありません。

使うとしたら、自分が何かを話していて、
ふと思いついて、
「あ、ちょっと待って、もしかして、、」
という感じの場面であれば、
“Hold it.” と使うわけです。

こんな具合に、ひとかたまりの
フレーズも、どんな場面でどういう
意味で使うか、ということを
客観的に学ぶことが、日常会話を
勉強すること、とほぼ同義と
なりますので、これからも
こういう視点でフレーズを増やして
いきましょう♪
(^_-)-☆

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